Fire is like a little piece of the sun which has been given to humankind.
火とは、人類に与えられた太陽のかけらのようなもの
古来より、人はなぜ火に魅了されるのでしょう
「燃えさかる炎の波長」は、「日没のときの夕日の波長」ととても似通っている、とフィンランドの書籍にありました
家の中央に据えられた炉に家族が集い、くゆる炎を眺めながらのひととき、
デッキの上でワイングラス片手に友人と共に夕日を眺める、
というワンシーンも安易に想像できるように、
いずれも、人の精神面に安らぎや癒しといった影響を与えているもの、といえそうです
それでは、人類の火の関わりについて、ざっくりと説明させてください
現在確証しえる最古の加熱調理の痕跡が発見されたのが、南アフリカ北部の洞窟でした
約100万年前のものといわれています
火を常用しはじめたとみられるのが約10万年前、
人類が農耕をはじめたのが約1万年前で、
この頃が、「産業化のはじまり」といわれ、火を用いた工芸というものが盛んになってきました
例えば、錬金や陶芸、石膏やセメント、ガラスの製造など
また、同時期に、口あたりのよい麦が栽培されるようになったことでパン焼きも行われるように
ギリシャの壺の絵柄に、「煙突」の概念が描かれていたのは、それから約7,500年もあとのことです
時を経て、約1,000年前ほど前のノルウェーで、バイキング時代が終焉を迎え、がっしりとした丸太小屋の住居がつくられはじめました
同時に、オープンハ―ス「石で囲った囲炉裏のようなもの」から、
囲った石を積み上げて炉を半球状にして、「蓄熱させる」という暖房の概念がうまれました
建物内を温度調整できるようになったことで(真冬でも屋内が氷点下に下げないようにできるようになったので)、穀物の乾燥と貯蔵技術が飛躍的に進歩し、北欧では農業がこれまでになく盛んになりました
つまり、「がっしりしたつくりの丸太小屋(定住)」に「蓄熱式の暖炉」が備わったことで、「農業の飛躍的に進歩した」とのこと
「煙突」の概念がヨーロッパで定着しはじめたのが、今からおよそ4~500年前
およそ250年前の時代、
フィンランドではこの頃まで、庶民の一般的な居住環境は、smoke cabin(煙突のない、オーブン付きの石積み窯のある丸太小屋)でした
煙突がないため、日中の火入れ時は、煙で屋内にいることができない、という厳しい生活が推測できます
驚くべきことですが、その同時期に、
スウェーデンの王グスタフ3世が、産業革命による燃料危機を受け、当時の著名な建築家に、蓄熱式ストーブの改良をすすめさせました
結果、当時の薪燃料の消費量を約20%削減した、といわれています
また、それと同時に、熱効率のよい蓄熱式薪ストーブをつくる職業訓練校も創設したそうです!
もちろん、現在つくられる蓄熱式薪ストーブはこのころから改良を重ねてつづけられています
古くて新しい暖房器具、といわれる所以です